とりみる

小鳥詩人・高田繭草の野鳥観察ブログ。 京都の山科を中心に、山科周辺や出張先で出会った鳥も登場。

2019年08月

夕方。
まだ明るい薄暮の時間。
ムクドリの群が
電線に集まってきた。

ギュルギュル
ギャーギャー
さわがしい。
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成鳥や幼鳥や。
さまざまが並ぶ。
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集まるわりには
近づきすぎるのは嫌のようで。
あちこちで諍いも起こる。
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端から1羽1羽
双眼鏡で見ていくと
ところどころに
コムクドリも混じっている(矢印)。
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静かにしとき。

周辺の人間からは
歓迎されていないのだ。

爆竹の大きな音が鳴った。
バン!バン!
バ・バ・バン!
バチバチバチバチ!

ムクドリたちは
一斉に舞い上がる。
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しばらくすると
また元の電線に戻ってくる。

そんなんを繰り返したのち、
道路をはさんだ向かいの役所へ。
その敷地内にある
まあまあ大きめの樹に落ち着いた。
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日も暮れてきて
手持ちの撮影では
もう限界。

そろそろ夕飯にでも行こ。

それにしても、
最近ムクドリの「ものすごい」大群を
見なくなった。
「やや多い」はよく見るけれど。
今でもどっかにはあるのだろうか。

近くにメジロがいたので、
とりあえず撮影してみる。
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撮影してみてから
何かに気づくこともある。

そう。
この個体の虹彩はグレー
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メジロの虹彩がグレーなのは、
ズバリ幼鳥でしょう~(まるおくん風に)。

とはいっても、
あどけなさも感じられないので、
正直、実感がわかない。

次に気づいたのは、尾羽。
まだ伸びきっていない。
それに、先端も痛みがち。

さらに根元近くの痛んでいない尾羽は、
先が尖っている。
おお。これは幼羽の特徴だ。
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実感がわいてきました。
ずばり言うわよ(古い)。
この個体は幼鳥。

さて
別の個体も撮影してみよう。
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胸から脇腹にかけての褐色味が、
なんだか中途半端・・・。
この個体も幼鳥なのかな?

虹彩はどうでしょう?
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おお。茶色味がはっきり。
これは幼鳥ではないですね。
ずばり。幼鳥ではないでしょう~。

しかし、この個体が
「確かに成鳥だ」という実感も、
実はそんなにわいていないんですよね。

こういうね。
細かいこともね。
いちいち納得するまで
調べたい病なんですね。
要領も悪いからね。

だからわたしはいつまでも
ズバリ幼鳥でしょう~。
死ぬまで勉強です。

どんよりとした曇り空に
キレ味のいい鋭角のシルエット。
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忍者の武器を思わせる。
最近、忍者漫画の「サスケ」を
読んだ影響かもしれないが・・・。
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頭から尾まで20cmほどの大きさだが、
翼の長さが約50cmもあるので
結構大きく感じる。
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ハリオアマツバメの「ハリオ」は、
漢字で書けば「針尾」。
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尾羽の羽軸が、
針のように突出しているのです。

垂直にとまる際、
キツツキのように
尾羽が支えになるらしい。

ちなみに繁殖は樹洞でするというから
なんとも神秘的。
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針にはきっと、
毒が塗られているに違いない。
・・・・・・。


変わってこちらは別の鳥、アマツバメ。
同じくキレ味のある美しいシルエット。
一緒に飛び回っています。
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こちらの尾羽は、
ハリオのように「針尾」にはなっていません。
シルエットは燕尾型。
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忍者の武器のよう。
そう書いてはみたものの、
手裏剣(しゅりけん)というわけでもなく、
ブーメランには似ている気もするが、
実際はヒラヒラとよく羽ばたいており。
やはり「サスケ」の読みすぎか・・・。
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エサとなる飛翔昆虫の動きに合わせて
広い範囲をあっちへ行ったり
こっちへ行ったり。

どんよりとした曇り空の中、
退屈になりそうな長い時間を
楽しませてもらった。

現場ついでに乗鞍岳。
京都をはじめ、岐阜県の下界でも
気温35℃以上という日に、
こちらは爽やか15℃前後。

下の写真は、畳平バスターミナル周辺。
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最初ごあいさつしたのはイワツバメ。
バスターミナル横にある
宿の軒下で子育て中。
ここは涼しくていいですなあ。
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巣立ちの近そうなヒナたちも、
あちこちの巣から顔を出してくれた。
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コマクサの咲き乱れる
魔王岳への登山口にはイワヒバリ。
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コマクサにはなんと
毒があるらしいですぞ。
んぐっ!
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もしや薬がわりに???

あと、今気づきましたが、
上下くちばしの境目そこでしたか。
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どうでしょうねえ。
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こちらはカヤクグリ。
日本の固有種です。
「チリリリ」と可愛げな声。
イワヒバリと色合いが似ています。
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何かの幼虫を食したり、
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水浴びしたり、
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あちらこちらで、
わりとよく目にします。
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こちらは今年生まれの幼鳥。
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大黒岳の東(長野県側)にはライチョウの姿。
物思いに耽っているようなので、
そっとしておいてあげましょうか。
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と思ったのですが。
ちょっとお顔を。
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足環もしていますねえ。
(右)白+黄
(左)黒+黒
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個体情報が知れるのかと思ったけれど、
コウノトリのように
ネットでの公開ページは見つかりませんでした。

近くにヒナの姿はなかったので、
途中で繁殖失敗した個体なのかもしれません。
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ホシガラスは遠くで飛翔する姿。
ハイマツ林でうろうろしていますが、
今日はなかなか近くで会えません。
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上空には時折ハイタカ。
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アマツバメも。
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ハイマツの茂みからは、
メボソムシクイやルリビタキの
さえずりが聞こえてきますが。
こちらは撮影果たせず。

鳥さがしは一旦休止して。
乗鞍岳(剣ケ峰)頂上3,026mに登ってみる。
初心者向きということなので。
だ、だ、大丈夫でしょう。
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だいぶ近づいてきました。
ふ~。
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や、やりました。
ひさしぶりの達成感です。
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その後、再び畳平バスターミナル付近へ。
お花畑と呼ばれている木道の辺りで、
先程とは別個体のライチョウを確認。
こちらは岐阜県側のエリア。

足環はしているのか、していないのか、
草に隠れて確認できない。
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よく見ると、
親からちょっと離れた
草陰にヒナの姿。
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チングルマの綿毛にまぎれて。
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どうやらヒナは2羽いるようだ。
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なかなか思うように
撮影できなかったが、
親子の姿を確認できてよかった。
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こちらは16:20発のバスに乗って
下界へ帰ります。

口元にあどけなさが残るので、
てっきり巣立ったばかりの
おぼこい幼鳥かと思っていた。

よく見れば
青と赤の配色が明らかなので、
幼羽から第1回冬羽に換羽中でしたね。
そんなに時間がたっている個体だったとは。

あっち向いたり。
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こっち向いたり。
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